婦人科
婦人科
婦人科は、月経の悩みから尿のトラブル、妊娠や不妊に関する相談、子宮、卵巣の病気や性感染症、更年期障害など、思春期から老年期における女性特有の病気を対象としている診療科です。問診・内診・超音波・子宮がん検診(基本検診)などを通じて、女性がかかりやすい病気の早期発見と治療を行います。生理不順、不正出血、月経前のイライラ、更年期の症状でお困りの方など、お気軽にご相談ください。
こんな痛みや症状でお困りではないですか?
日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。心配な症状やお困りのことがあれば、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
月経以外に性器から出血することを不正性器出血といいます。比較的新しい血液は赤色ですが、古くなると血液は茶色くなってきます。病気ではないこともありますが、重大な病気のサインとしても現れることがありますので注意が必要です。不正出血の原因には、炎症によるもの(病原菌感染、子宮内膜炎、萎縮性腟炎など)、ホルモン異常によるもの、良性の腫瘍(子宮頸部・内膜のポリープ、子宮筋腫など)、悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣腫瘍、子宮肉腫、腟がん)、妊娠に関連するものなどがあります。このように不正出血を起こす原因は数多く、疑われる疾患や症状によって検査も様々です。不正出血を繰り返す場合は病気が潜んでいることもありますので、受診して検査を受けることが大切です。
約1か月の間隔でおき、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血とされる月経。そこから逸脱するようなものを月経不順といいます。原因は様々ですので月経周期が乱れているようであれば受診をおすすめします。
月経に伴って起こる病的な症状で、疾患があることで起こる器質性月経困難症と、原因となる疾患がない機能性月経困難症があります。器質性月経困難症は、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮の形の異常などの病気が原因となります。機能性月経困難症は、明らかな疾患がない場合ですが多くの月経困難症がこれに該当します。月経時の痛みや頭痛、吐き気、憂鬱など症状は様々です。
月経前、3~10日の間に起こる心身の様々な不快症状で、月経開始とともに軽快・消失します。身体的症状としては腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。精神的症状としては情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、倦怠感などがあります。月経前に毎月出現し、月経開始後に緩和することが特徴で日常生活に支障をきたす場合はPMSと診断されます。著しい気分変調をきたすものは月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれます。
性行為を介して感染する疾患です。主な性感染症には、クラミジア、淋菌、梅毒、ヘルペス、尖圭コンジローマ、トリコモナス、HIV(エイズ)などがあります。それぞれの疾患で症状が異なりますが自覚症状が乏しいものもあります。おりものの変化(量の増加・色味の変化・悪臭)、外陰部の痛み・かゆみ・水泡やイボの出現、不正出血などがある場合は早めの受診をお勧めします。
女性に多く、頻尿、血尿、排尿時の痛みが特徴的な病気です。多くは排尿の最後のほうや排尿後にしみるような不快な痛みを感じます。悪化してくると残尿感がひどく、何度もトイレに行くようになり、はっきりとした痛み、血尿を伴うこともあります。膀胱炎は何らかの原因で尿道から細菌が膀胱へ侵入することによって起こります。一番の原因となるのは大腸菌ですが、通常は抗生剤治療で数日以内に完治することがほとんどです。
婦人科疾患の中で最も多く、4-5人に1人の割合で発生します。子宮の筋層にできる良性腫瘍ですが、貧血や痛みなど様々な症状の原因になったり、不妊や流産の原因になったりすることもあるので、定期検診での早期発見が大切な病気です。主な症状は、月経痛と月経量が多くなることが無症状であることも多いです。月経以外の出血や腰痛、頻尿などもみられることがあります。子宮内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなる特徴があります。逆に子宮の外側にできた筋腫は大きくなっても症状がでない傾向があります。そのため、治療が必要か否か発症部位や症状によって異なります。
子宮内膜に類似する組織が子宮内腔以外の部位で発生、発育する病気です。卵巣に発生した場合にはチョコレート嚢腫、子宮筋層にできた場合は子宮腺筋症と呼ばれます。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。月経痛や、月経時以外にも腰痛や下腹痛、排便痛、性交痛などがみられます。周囲の組織と癒着を起こす場合もあり、不妊の原因にもなります。
子宮頸がんは主にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが、性的接触により子宮頸部に感染して生じるがんです。子宮頸部(子宮の入口付近)にでき、婦人科の診察で発見されやすいといえます。症状としては月経とは無関係の出血やおりものの増加、月経期間が長引くなどがありますが、初期の場合、自覚症状はありません。近年、20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとされています。出血などの症状がなくても、20歳を過ぎたら、1-2年に1回の子宮頸がんの検診を受けましょう。また、HPVワクチンを接種した方も定期的な検診をお勧めします。
子宮体部(胎児を育てる場所)にできるがんで、50〜60歳台に発症のピークがあります。症状として最もよくみられるのは不正出血です。とくに、閉経後に不正出血がある場合は、早めに受診しましょう。
卵巣は子宮の左右に一つずつありますが、この部位に発生する腫瘍を卵巣腫瘍といいます。良性と悪性があり、症状には腹部膨満感、下腹部痛、頻尿などがあります。小さいうちは無症状なことが多く、大きくなったり腹水がたまったりすると症状が現れてきます。腫瘍が破裂したり、腫瘍がお腹の中でねじれてしまったりすると、突然、強い下腹部痛が起こることもあります。
加齢の変化で骨盤底の筋肉が弱くなり、子宮や腟壁が正常の位置より病的に下垂する病気です。進行すると腟外に子宮、腟、膀胱、腸管などの臓器がでてしまう状態になります。更年期以降の女性に認められ、出産経験がある女性の約半数に生じるともいわれています。軽度では自覚症状がなく、進行すると尿失禁や頻尿などの排尿障害、異物感などが生じてきますが、脱出部位により、症状は様々です。