
避妊・緊急避妊・月経移動
避妊・緊急避妊・月経移動
日本でOCの使用許可がおりたのは1999年で米国に40年の遅れをとっています。欧米に比べると普及率が低いものの、近年は月経困難症に保険適応された低用量ピルもあり、徐々にではありますが広がっています。低用量ピルは正しく内服すると99%以上の避妊効果があるとされており、他の避妊法よりも効果が確実であることがわかっています。
避妊以外のメリットとして、下記のようなものが挙げられます。
低用量ピルの一般的な副作用として頭痛、吐き気、不正出血などがありますが、これらの症状は飲みはじめの期間に起こり、服用を続けることで消えていきます。非常にまれですが、重篤な副作用のひとつに静脈血栓塞栓症があります。静脈血栓塞栓症は低用量ピルの内服開始後3か月以内が最も多く、喫煙者、肥満の方、ご高齢の方の場合にそのリスクが高まることがわかっています。静脈血栓塞栓症の症状としては、激しい頭痛、急に目が見えにくくなる、喋りにくくなる、激しい腹痛、脚のむくみや痛みなどがあり、早期診断・早期治療で重症化を防ぐことができます。
緊急避妊とは、避妊に失敗してから72時間以内にアフターピルの内服を開始する方法です。アフターピルを服用することで、排卵を遅らせ受精を防いだり、着床前に子宮内膜を変化させたりして妊娠成立を防ぎます。ただし、アフターピルによる避妊効果は100%ではありません。内服後に数日して少量の出血が起こる場合があります。次の月経は遅れることがありますが、2週間以上遅れている場合は妊娠の可能性もありますので受診してください。
内服による副作用ですが、一時的な吐き気や頭痛等が起こる可能性があります。特に内服後、4時間以内に嘔吐すると効果が落ちることもあります。アフターピルにあわせて吐き気止めを一緒に処方することもできます。アフターピルが今後の体に支障を残すような副作用はありませんが、避妊失敗のリスクを減らすため次回月経後より、継続して経口避妊薬の服用をおすすめしています。
月経予定日が受験や部活の大会、旅行などと重なってしまう場合、一時的に中用量ピルを服用することによって月経日を早めたり、遅らせたりすることが可能です。体に薬の影響が残ることはありません。予定の直前ではなく、1か月以上前など時間に余裕をもって受診されたほうが安心です。