
子宮頸がん健診異常
子宮頸がん健診異常
当院では、子宮膣部びらんと子宮頸部異形成に対してCO2レーザーでの蒸散術を施行しております。
びらんは異常ではありませんが、性交時出血などの不正出血の原因となることがあり症状改善のためにレーザーでびらんを焼灼し症状を緩和させる目的で治療します。
軽度異形成(CIN1)
約10%が高度異形成以上の病変へ進行し、約30%は変化せず、約50‐60%は自然に消失するといわれています。
中等度異形成(CIN2)
約20%が高度異形成以上の病変へ進行し、約40%は変化せず、約40%が自然に消失するといわれています。
高度異形成(CIN3)
30‐60%が軽度異形成などの病変に退縮するものの、約10%が浸潤がんに進行するといわれています。
これらの異形成ががん化する前に治療することが目的で行われる治療法のひとつが子宮頸部レーザー蒸散術です。
子宮頸部レーザー蒸散術は子宮頸部レーザー円錐切除術と比較して出血が少ないと言われていますが、手術中に全く出血しないわけではありません。手術終了時にはレーザー蒸散部に「かさぶた」が形成されて止血された状態となっています。このかさぶたがはがれるのは術後約4~7週間ですので、手術直後よりはむしろ、術後しばらくしてから出血することがあります。また、レーザー蒸散部の傷が治癒するまでには約4~6週間かかりますので、その間は性交を避けてください。ナプキンに少量付着する程度であれば、そのまま経過を観察していただきます。月経2日目以上に出血が多い場合などは病院へご連絡いただき、医師と相談していただくことになります。外来受診の必要性について判断させていただきます。
近年の報告では、子宮頸部レーザー蒸散術による早産への影響は少ないものが多く存在します。一方で子宮頸部異形成に対して同じく施行される子宮頸部レーザー円錐切除術では術後の妊娠における早産の可能性がやや高くなる、などのデメリットがあります。
子宮頸管部の傷が治る過程において頸管が狭くなる場合があります。いままで生理痛が無かった人も稀に生理痛を感じるようになる場合があります。ごく稀に頸管閉塞を起こす場合があり、再開通術が必要となる場合があります。手術直後に腹部違和感、軽度腹痛を感じることがありますが、時間とともに軽快します。術後しばらくおりものが続きますが、通常は心配いりません。万が一、術後38度以上の発熱がある場合には早めに受診してください。